長い海外旅の中での初の「密入国疑惑」を描いたわけ
これまで世界各地を幾度となく旅してきた五箇野人さんにとっても前代未聞の出来事だったそうで、「特に入国自体が問題なくできたあとの国内移動での出来事だったので、全く予想しておらず身構えてなかった分、衝撃が大きく感じました」と当時の心境を振り返る。
こうした大トラブルを描いたきっかけについて、五箇野人さんは「自分としても初めての出来事だったので今後、旅をする方たちの参考になればと思い、漫画で共有しました」と話す。本作をはじめ長編のエピソードを描く際は、「『印象に残っていること』が『人に届けたいこと』と直結してるかなと思っているので、印象に残っていることをピックアップしています」と、体験の選び方を教えてくれた。
作中では大使館・領事館への連絡をはじめ、できることが限られる中での五箇野人さんの対応が描かれる一方、出国ができるか分からない中、伸びた滞在を楽しむ一幕も。こうした前向きな過ごし方ができた理由について、「予定外のことがあっても『これがいい出会いにつながる』はいつも思っていることです」という心構えがあったと五箇野人さんは語る。
「旅はいつもほぼ計画通りにいかずイレギュラーな事態ばかりなのですが、そのタイミングのズレやさまざまな変更が、結果的にいい人との出会いに繋がっていたりして、『アレがなかったら出会えてなかった』という体験をたくさんしているので。トラブルの際も、一旦ヘコんだあと、それを思い出して自然とポジティブに考えるようになっています」
取材協力:五箇野人(@gokayajin)