もともと片付けが苦手だった祖父母、老いが加わりゴミ屋敷化へ
“ゴミ屋敷の片づけ”と“介護”をリアルにつづった本作について、作者である西園さんに話を伺った。
本作を描こうと思ったのは、ゴミ屋敷の片付けが大変すぎて、一周回ってちょっとおもしろく感じた体験だったのと、業者さんから「ふつう依頼者の人は一緒に片付け作業はやらないんですよ」と言われたからだという。「漫画にでも描いて元とっちゃおうかしら…と思いました」と振り返る。
祖父母の家がゴミ屋敷になってしまったのは、「もともと片付けや問題解決が苦手なうえ、老いや孤独、認知症などいくつか原因がある」と西園さん。だからこそ祖父母の説得は困難を極め、解決にはかなりの時間がかかった。
「具体的にどう解決したのかは漫画を読んでほしいのですが、結局はドクターストップであったり、時間が解決したりということが多かったように思います。『強制的な片付けや引っ越しは関係が悪くなるだけで根本的な解決にならない』と介護関係の方にアドバイスももらっていたのでギリギリまで本人たちの意思を尊重したつもり…ですが、本人たちは迷惑だったかもと思います」
最後に本作を通して伝えたいことを伺うと「『困ったらプロを頼ろう』『老い支度は早めに話し合い』でしょうか。似た境遇の方の慰めや後押しになれれば幸いです」とアドバイスをくれた。
本作は今年の2月に単行本化されている。描き下ろし漫画のほか、ゴミ屋敷清掃業者の方や精神科医の先生のコラムも収録しているので、ぜひ手に取ってみてほしい!また西園さんは、地方創生&多文化共生マガジン「カラふる」で「ビビっとくる日本全国おみやげ日記」を連載中。こちらは旅行や帰省時のお土産選びの参考になるかもしれない。
取材協力:西園フミコ(@fnishizono)